よくある質問

Q:親権はどのように決定されるのか。
A:親権者の判断基準のページ参照。これらを総合考慮して決定されます。子どもの福祉が最優先事項です。



Q:親権の決定では何が重視されるのか
A:昔は“母親優先”がありましたが、性差別と批判されて“母性優先”と言われるようになりました。この母性の判断は実務上、どちらが多く子の世話をしたかという監護実績によるところが大きくなります。ただこの表現も“母”の文字があるため誤解されやすく、“主たる監護者”との表現が使われるようになっています。
 監護実績は“現状尊重の原則”とも重複するので、子の生活が現状で安定しているのなら、現在の監護環境の維持が重視されることになります。
 もちろん総合考慮で決定されますので、現状でも子の福祉に適さない要因(片親疎外など)があれば、それも考慮されるべきです。



Q:親権では母親が有利なのか。
A:不合理な母親優先としか思えない裁判例もあります。しかしそれ以外にも、家庭の中で主な監護者(世話をする人)は母親であることが多いので、親権の決定でも母親が選ばれやすいのが現状です。逆に父親が主な監護者で子と良好な関係であれば、父親を親権者(および監護権者)とすることが子の福祉に適います。また子との情緒的結びつきは、一者のみとではなく、祖父母きょうだいなどを含めた「アタッチメントのネットワーク」で捉える必要があります。



Q:子育ては母親が担ったほうが好ましいのではないか。
A:「母親優先への反証」の各ページ参照。学術的に母親のほうが好ましい子育てができるという根拠はありません。迷信、思い込みによるジェンダー差別の一つです。



Q:痛い思いをして子を生んだ母親のほうが愛情深いのではないか
A:では帝王切開や無痛分娩だと愛情が薄く、また分娩時間の長さによって愛情に差が出るということでしょうか。そのような学術的根拠はありません。迷信、思い込みによるジェンダー差別の一つです。



Q:10ヶ月もお腹で子を育てた母親のほうが愛情深いのではないか
A:では早期出産だと愛情が薄いということでしょうか。そのような学術的根拠はありません。迷信、思い込みによるジェンダー差別の一つです。



Q:親権では子どもを連れて別居したほうが有利なのか
A:現状ではそうなります。もちろん別居した後にも子どもが安定した生活をしていることが必要です。
 ただし他方の親の同意なく子どもを連れ去ることは、アメリカなどでは誘拐罪とされています。また相手からの心証は非常に悪くなり、その後の交渉や子どもへの関わりでも悪影響となるでしょう。DVなどで緊急避難が必要な場合を除けば、連れ去りが子の福祉に適う方法だとは言い難いものがあります。



Q:離婚の原因の有責者は親権で不利になるのか。
A:親権は子の福祉が最優先されます。そのため夫婦間での離婚の原因が直接関係することはありません。ただし理由次第では、子の養育環境として相応しくないと考慮されることは当然あります。



Q:養育費を払わないと子との面会は認められないのか。
A:養育費と面会交渉権は別問題です。養育費を払わないから面会させないということは認められません。しかしどちらもきちんと履行していくことが子の福祉には重要です。



Q:子どもを別居親に会わせたくないのだが
A:まず“会わせる”との表現は止めましょう。当サイトを見ればお分かりのように、特別な事情を除けば別居親に会わないことは子に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。ですから別居親は子どものために“会ってくれる”のであり、このように表現を変えると視点も変わってくるのではないでしょうか。

  • 最終更新:2013-01-22 14:16:55

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