三歳児神話

「三歳児神話とは「子どもは三歳までは,常時家庭において母親の手で育てないと,子どものその後の成長に悪影響を及ぼす」というものである。
(中略)
 母親が育児に専念することは歴史的に見て普遍的なものでもないし,たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能である。また,母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる,との指摘も強い。欧米の研究でも,母子関係のみの強調は見直され,父親やその他の育児者などの役割にも目が向けられている。三歳児神話には,少なくとも合理的な根拠は認められない。
(中略)
 乳幼児期という人生の初期段階は,人間(他者)に対する基本的信頼感を形成する大事な時期であり,特定の者との間に「愛着」関係が発達することは大切である。
 しかし,この基本的信頼感は,乳幼児期に母親が常に子どもの側にいなければ形成されないというものではない。愛情をもって子育てする者の存在が必要なのであって,それは母親以外の者であることもあり得るし,母親を含む複数人であっても問題視すべきものではない。 」



「生後一年から一〇年近く、子どもの発達と家庭環境との関連について、一三〇組の家庭をずっと追跡調査したアメリカの研究は、母親が働いている、いないという形態だけで子どもの発達との関連性を見ることができないこと、むしろ、母親が働いている場合には、働く意義を母親自身がしっかりと自覚し、家族も母親の就労に理解と協力を示しているケースや、日中の保育環境がすぐれていて、職場環境も家庭と仕事の両立支援がなされているケースでは、かえって専業主婦の子どもよりも知的発達や社会性、あるいは情緒面の発達の面ですぐれていることを報告しています。」

  • 最終更新:2013-01-15 01:14:20

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