面会拒否により子の引渡しを認めた判例

※複数の要因があるため、面会拒否だけを理由に子の引渡しを認めているわけではありません。

東京高決平15.1.20(家月56-4-127)

●家族構成:母親(X)、父親(Y)、長男(14)、二男(11)、長女(9)。
●夫婦関係が不和になり、父親が女性と旅行が発覚、母親は離婚を決意。
●母親は医師から二ヶ月ほど治療に専念すべきと助言され、一人で実家に帰る。
●その際、署名押印した離婚届(親権者欄は空欄)を置き手紙を残す。
●母親は翌月に離婚調停を申立てたが、父親はその直後に離婚届を記載し(親権者は父親とも記載)、提出。
●母親は離婚無効調停を申立てるが不成立。その後離婚無効確認訴訟を継続中。
●互いに代理人を立て面会交渉の暫定的ルールを話しあうが、合意できず。
●母親は審判前の保全処分として、子の仮の引渡しを求めた。

原審は母親の主張を認め、子の仮の引渡しを認めた。
抗告審も同様。


「子は、父母双方と交流することにより人格的に成長していくのであるから、子にとっては、婚姻関係が破綻して父母が別居した後も、父母双方との交流を維持することができる監護環境が望ましいことは明らかである。」
「Yが合意に反して面接交渉の実施に非協力的な態度をとり続けるため、合意に基いて面接交渉の実施を求めるXとの間で日程の調整をめぐって頻繁に紛争が生じ、そのためYとXの対立が更に悪化するという事態に陥っており、」
「このような父母の状況が事件本人らの情緒の安定に影響を及ぼし、YとXの対立に巻き込まれ、両者の板挟みになって両親に対する忠誠心の葛藤から情緒的安定を失い、その円満な人格形成及び心身の健全な発達に悪影響を及ぼすことが懸念される。」
「そうすると、Yとの面接交渉について柔軟に対応する意向を示しているXに監護させ、Yに面接交渉させることにより、事件本人らの精神的負担を軽減し、父母双方との交流ができる監護環境を整え、もって事件本人らの情緒の安定、心身の健全な発達を図ることが望ましいというべきである。」


  • 最終更新:2013-01-05 12:16:17

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